高齢者の住宅問題

ファイナンシャルプランナーの不動産屋 NOBLE企画です。

昨日は「事故物件」がテーマだったので、久しぶりにNHKのクローズアップ現代を見ました。

事故物件というのは、いわゆる「心理的瑕疵(かし)」のある物件のことで、殺人や自殺、事故死など人の死があった場合に問題となります。心理的瑕疵があると、内容にもよりますが、物件の価値が下がります。

最近は、事故物件の情報サイトというのもあり、事故物件かどうかはネットで簡単に調べることができるようになりました。

番組でも取り上げられていましたが、不動産取引では告知義務というものがあり、心理的瑕疵があった場合、あらかじめ売主(貸主)は買主(借主)にそのことを告知しなければなりません。しかし、これまでその基準が曖昧だったため、今年の5月にガイドライン案がまとめられました。

例えば、賃貸住宅で殺人や自殺などがあった場合は3年間は告知義務がある、老衰や病死などの自然死の場合は告知は必要ない、などという内容になっています。

ただ、一人暮らしの高齢者は増えており、今後も増えていくことは間違いなさそうです。孤独死の問題は避けられないと思います。私もこれまでに何度もそのような現場に遭遇しています。

そして、自分が高齢者になった時の住宅問題は、最も関心のあるテーマの一つです。

「持ち家か?賃貸か?」の問題では、持ち家派からは「高齢になると部屋を借りにくくなるから、持ち家があった方が安心だ」という意見があります。
一方、賃貸派からは「人口も減って、今後住宅は余っていくのだから、高齢者に貸してくれる物件は増えるはずだ」という意見があります。

どちらの意見も一理あると思いますが、実務をしていて感じていることを書きます。

以前、とある有名企業の社長さんの高齢のご親族が、人気の高級マンションに賃貸で入居をご希望されました。けれど、所有者の方はお断りされました。所有者の立場になると、もともと人気のある物件ですので、あえて高齢者に貸したくないという気持ちになります。

高齢者が借りることのできる物件は、今後もちろん増えると思います。ただし、選択肢は限られるかも知れないと思っています。番組中でも、4、5年も物件を探している方がいらっしゃると言っていましたが、自分が住みたいと思える家に住めない可能性は十分にあります。

このような現状を見ているので、私は将来、自分が安心して年を重ねることができるシェアハウスを作りたいと思っています。これについては、また詳しく記事にしてみたいと思っています。ご興味がありましたら、ぜひご連絡お待ちしております。

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